院長Blog
食物アレルギーの話を聞いてきました
先日 PL病院小児科第8回公開診療検討会で食物アレルギー診療に今何が求められるのかというタイトルのお話を聞いて来ました。記憶に残っているところだけですがお話したいと思います
船内クリニックには妊婦さんも来られます。時々生まれた子供さんがアトピーにならないように妊娠中から食事制限をしたほうが良いですか?という質問を受けますが先日の話では妊婦さんや授乳婦さんの食事制限は全く無意味とのことでした。特に卵は母乳に移行する量は極微量のため卵アレルギーの発症はないそうです。卵に関しては生と火を通したものでは抗原性は約1000倍ほど違うそうで火を通したものでもオーブンは200度フライパンは170度ゆで卵は100度ですので子供さんに食べさせる場合まずオーブンで焼いた卵から食べさせるのが良いとのことでした。大豆アレルギーの場合味噌や醤油は大丈夫とのことです。
今回一番注目したのが皮膚から起こる食物アレルギーの話でした。数年前問題になった茶のしずく石鹸の話はまだ記憶に新しいところです。石鹸の成分に小麦が使われており石鹸を使うことにより小麦成分が少量ずつ皮膚より体内に入り小麦アレルギーを発症したものです。皮膚から起こる(感作される)食物アレルギーです。正常の皮膚では起こりにくいことですが傷んだ皮膚では食物の抗原が入りやすく感作されやすいとのことでした。特に乳幼児の場合 よだれかぶれや乾燥肌などで皮膚が痛んでいると離乳食が傷んだ皮膚に付着することにより感作されます。このことより 生まれたすぐから皮膚の手入れをする方が良いとのことでした(乳児湿疹は早く治す)。ワセリンやプロペとで保湿をしっかり行いかぶれや乾燥肌をなくし食事後は口周囲についている食べ物かすを拭きとることが良いようです。プロペトとワセリンですが白色ワセリンを精製したものがプロペトですのでプロペトの方が不純物が少なく良いとのことでした。また ヒルドイドですがこちらはローションよりソフト軟膏の方が皮膚には良いようです。
余談ですがプロペトのついた服は60度以上のお湯で洗うと綺麗に取れるとのことでした
以上 食物アレルギーについて聞いてきたことを書いてみました。