院長Blog
川崎病について
年末に 発熱がありインフルエンザと診断した子供さんが熱が続くとのことにて再診されました。目の充血や体幹に発疹を認めたため川崎病の疑いで救急病院に紹介し先日受診された病院より返事が返ってきました。やはり川崎病と診断され早期に治療を開始したため大きな後遺症もなく経過しているとのことでした。
皆さんに知ってもらうため川崎病について述べたいと思います。川崎病は1961年に川崎富作先生が患者さんを発見され1967年に報告し川崎病と名づけられました。正式には小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群と言います。
日本やアジアに多く80%が4歳以下で特に1歳前後に多いです。男女ではやや男児に多いです。今のところはっきりした原因は不明ですが夏や冬に多く地域流行性があることより何らかの感染が引き金になって起こっているのではと言われております。
主要症状としては
1)5日以上続く高熱(抗生剤、解熱剤が効かない)
2)両目の充血
3)四肢末端の腫脹、浮腫
4)皮膚の発疹、BCG跡の腫脹
5)いちご舌
6)非化膿性頸部リンパ節腫脹
上記6項目ですが 他の疾患でも同症状が見られるため診断には注意を要します。
治療は 炎症を早期に終わらせることが重要で急性期の治療としてはアスピリン療法、免疫グロブリン療法が行われます。免疫グロブリン療法が聞かない場合はステロイド療法なども行われます。心臓冠動脈に障害(冠動脈瘤)を残すことがあるため 約1か月間はアスピリン投与を行い冠動脈瘤がなかったとしても年1回は心臓検査を行います。心臓に冠動脈瘤が見つかった場合は抗凝固療法も必要になります。冠動脈瘤ができなかった場合は予後は大変良いとのことです。冠動脈瘤の発症を抑えるよう遅くとも発症7日以内に治療を開始することが望ましいといわれております。上記の患者さんも発症5日目より治療が開始され今後の経過が良好でありますよう願うばかりです